「黒川温泉一旅館」。
一つひとつの旅館が「部屋」であり、
道は「廊下」。
私たちは、温泉街全体を
ひとつの旅館と見立てた
ストーリーを大切にしています。
「Au Kurokawa」は、
黒川温泉に初めて誕生する
地域共有のレストラン。
いわば、黒川温泉の
「台所」となる場所です。
未来へのあたらしい予感を
おいしくてしあわせな心地を
感じられる場を、地域の皆さまと
ともにつくりたいと考えています。
私たちはこれまでも、
変わるとき・変わろうとするとき、
何かを生み出すときには
ゴールに向けて問いをもち、
対話し続けてきました。
愛する地域の問題や課題を、
そのままにしない。ひとごとにしない。
「自分たちに何ができるだろう?」と
問う姿勢こそが、黒川らしさ。
だから地域の方々と
協力しあい、知恵を出しあい、
黒川らしい答えを探していきたい。
そのひとつが
「Au Kurokawa」です。
2024年オープン予定。
黒川温泉中心部より徒歩5〜10分。
黒川神社の隣に位置し、
約3000坪の敷地に建つ
8棟のレストランの総称です。
キーワードは「地産地“循”」。
めぐり めぐる 食体験をとおして
地域を思い、地域をものがたる
食との出合いの場を目指します。
そもそも
Au Kurokawaを
「地域共有レストラン」
としたのはなぜ?
「地域共有」の問題を
解決する場所だから。
黒川温泉はいま、全国の温泉地同様にさまざまな問題を抱えています。その大きな問題のひとつが人手不足です。地域共有レストランである「Au Kurokawa」の誕生により、これまで以上に「素泊まりプラン」を活用し、「泊食分離」スタイルをとる宿が増えれば、この解決に少し近づきます。
また、近隣にほぼなかった夜の飲食店が誕生することで、宿泊のお客さまの食の選択肢が増え、地域住民の方にもよろこばれると考えています。
「人手不足」とは
具体的にどういうこと?
黒川エリアは、
人口4000人の過疎地域。
ほかの地域から人材を募集するも苦戦中。サービス業自体の人気低迷もあり、各旅館が抱える人手不足の問題は想像以上に深刻です。宿で夕食の調理・配膳・後片付けがなければスタッフの夜勤がなくなり、1日8時間労働も可能に。働き方改革にもつながります。
「料理人不足」の現状は?
今後さらに状況は
悪化していくと考えています。
現在、日本の多くの宿では料理人やシェフの高齢化がすすみ、その数がどんどん少なくなっています。料理人を目指す若者も減少するなど、今後はさらに、その担い手の確保も困難に。
「泊食分離」のスタイルは温泉、サービス、朝食の利用は宿。夜の食事のみレストランを利用することで、「Au Kurokawa」が黒川温泉全体のセントラルキッチンを担います。
全国の温泉地でも
抱える多様な課題を
どう対処する?
里山の温泉地だから
できること。
“黒川視点”で
問いつづけたい。
この「飲食」をめぐる問題を黒川なりのやり方で解決したいと考え、全国に先駆けて誕生しようとしているのが「Au Kurokawa」です。
私たちも全国の温泉地同様にコロナ禍で被害を受けたものの、2022年夏頃からは徐々に稼働率もアップ。インバウンドも好調です。わずか29軒の宿が集まる小さな温泉地だからこそ、いま動く。私たちだからできる可能なチャレンジだと考えています。
Au Kurokawa
について
くわしく知りたい。
地域を思い、
地域をものがたる
食との出合いの場です。
「Au Kurokawa」のコンセプトはその名のとおり、「会う」こと。敷地内に建つ8棟のレストランで、旬の食材やいとしい季節と出合い、たいせつな人や時間と出会い、あたらしい食と出合い、ここに循環してきたモノとふたたびめぐり会う。
こんな風に、黒川だから出会える、うまれる、たくさんの体験がお客さんをしあわせにします。まさに黒川温泉がこれまで大事にしてきた「地産地“循”」の流れをカタチにしたものであり、温泉旅館のあたらしいあり方になるものと考えています。
地方移住と仕事は
両立できますか?
仕事、暮らし、子育て。
あらたなライフスタイルを
叶える温泉地を目指します。
食への思い。暮らしへの思い。地域への思い。「Au Kurokawa」がこの場所で大事にしていきたいコトを、同じように大事に思ってくれる方々とのいいご縁があるとうれしいです。阿蘇〜熊本・九州エリアだけでなく、関西や関東などの都市部、海外からの移住も大歓迎。どんな家族構成であっても、私たちは、この場所での挑戦やあたらしいライフスタイルを応援します。「Au Kurokawa」は、これからみんなで育てていくレストラン。さまざまな制度を整備しながら、地域のみんなで、みなさんをあたたかくお迎えします。
Au Kurokawaの誕生により、
黒川はどう変わりますか。
黒川にあたらしい
人の流れがうまれ、
まちが元気になっていく。
「Au Kurokawa」内に誕生する8棟のレストランは、たとえば日本料理、カフェ、フレンチ…など、多様なジャンル・多彩なスタイルの飲食店があつまる予定です。旅行客のみなさんはもちろん、地域のみなさんが気軽に集まり、いつでも食事がたのしめるレストランになるように。長年、地域の飲食店不足という課題を抱えていた黒川に活気をもたらし、あらたな人・地域とのつながりが広がる「交流地点」を目指します。
「2030年のビジョン」を
どう生かしていく?
「世界を癒やす、
日本里山の豊かさが
循環する温泉地」。
このビジョンを“旗”にする。
組合設立60周年を迎えるにあたって、黒川温泉のこれまでと未来のありたい姿を策定したのが「2030年ビジョン」です。ここで発表したフレーズが「世界を癒やす、日本里山の豊かさが循環する温泉地」というものでした。阿蘇くじゅうの豊かな地域資源を活用、循環することで、環境・経済・人々の幸福につながるサステナブルな温泉地を目指す――
そんなビジョンを実現するためのレストランにしていきます。
具体的には?
「地産地“循”」の創造を。
地域循環型社会の実現に向けた取り組みとして、黒川が掲げるキーワードが「地産地“循”」。可能な限り廃棄(ロス)を減らし、地域資源を未来にいかすことが目標です。そのひとつとして、2020年から行なっている「コンポストプロジェクト」を「Au Kurokawa」内でも実施。南小国町と連携して堆肥で野菜をつくり、レストランに提供するという、食の循環をめぐらせます。また、できるだけ半径50km以内でとれる地元食材を使って料理をしていただく。食、人、経済がまわればまわるほど、地域が強くなるという考えを大事にします。
人口減少、労働力減少が
見込まれる日本で、
黒川温泉はどんな取り組みを
行なっていきますか?
「チーム熊本」体制で、
地元の方と濃く・深く
関わっていきたい。
まずは黒川らしい問いを立て、全国的な問題解決に率先して取り組むことで、温泉地のあたらしいあり方に挑戦したいと思っています。そのなかで大切にしたいことは、「チーム熊本」をつくり、地元の方たちと深く関わりながら「Au Kurokawa」を運営していくこと。なぜ立ち上げたのか、どんなレストランにしていきたいのか。
みなさんの思いがまじり合う場所になることで、長く愛される場所を目指したいと思っています。